在宅医療

 在宅医療という言葉は、新聞や雑誌などで取り上げられる事が多くなってまいりましたので、耳にした事がある人も少なくないかと思います。しかし、実際に在宅医療とはどのようなものか理解されている方は少ないのではないかと思います。これからの高齢化社会を控え、医療の世界も様変わりしている途中です。西暦2000年の4月からは、いよいよ介護保険が開始されます。それにより、患者さんを自宅で介護する人が増えるであろう事は容易に想像がつきます。つまり、好むと好まざるとに関わらず、医療・看護・介護の場が自宅で行われるケースが増えてくるのです。在宅医療を理解し、上手に活用する事が必要になってくると思います。

1在宅医療って何ですか?



 在宅医療とは、一言でいえば患者さんのご自宅で(在宅で)、医療を行う事です。

2在宅医療はどのような種類があるの?

 医師がご自宅にお伺いする往診と訪問診療、看護婦がお伺いする訪問看護、作業・理学療法士が行う訪問リハビリテーション、歯科医師が行う訪問歯科診療等があります。

3往診と訪問診療はどう違うの?

 一般に往診とは患者の求めに応じて、患者の急変時に診察を行う事を指します。
 一方訪問診療とは、何らかの疾患を抱え定期的に医療を受ける必要があるにも関わらず、外来通院が困難な場合に、ご自宅に定期的に訪問し診察を行う事を指します。一回だけの緊急の依頼による訪問が往診で、患者の状態の維持・向上のため定期的に訪問するのが訪問診療です。

4訪問診療はどのような事をしてくれるの?

 訪問診療は患者さんが自宅で生活する際に必要な医療機器の管理や、状態管理、薬の管理等を行います。
 最近は、点滴や尿の留置カテーテル、病気によっては人工呼吸器をしたまま自宅に帰る患者さんが増えてきましたので、医療者の継続的な管理が必要となる事が増えてきました。このような患者の場合、多くは医者と看護婦が協力して、訪問しながら患者さんのご自宅での生活を援助する事になります。

5どのようにすれば在宅医療が受けられるの?

 機器を付けたまま患者さんが退院したり、または寝たきり等になり、定期的に通院が困難になった場合で、在宅医療を依頼したいという場合は、まずは今までのかかり付けの先生にご相談して下さい。その先生が訪問診療を行っていれば、直接その先生にご依頼する事になりますし、行っていない場合は、訪問診療を行っている先生をご紹介下さると思います。しかし先生がご存知ない場合や、かかり付けの先生がいない場合などは地域の保健所や在宅介護支援センターに問い合わせれば教えて頂ける事があります。また、新宿区医師会ではかかりつけ医制度を実践しています。保健所にご相談頂ければ、自宅の近隣のかかりつけ医を紹介してもらえます。そちらでご相談されても宜しいかと思います。入院中の患者さんの場合、病院によっては医療ソーシャルワーカーという相談員がいますので、その方にご相談して下さい。
 在宅医療の一般的な説明は以上です。しかし、在宅医療はまだ歴史が浅く、我々も試行錯誤を繰り返しながら、何とか皆様のお手伝いが出来るよう努力をしている途中です。また、在宅医療の場合、医療のみでは解決できない事が多くあります。家族の協力がなければ、問題が解決できない事も多くあります。そういう意味では家族の負担が多い医療である事は事実です。しかし、少しでもご家族の負担が減るよう様々な福祉サービスがあります。在宅医療を円滑に行うためにはヘルパー等の人的援助やショートステイ、デイサービス等の福祉援助がどうしても必要となります。医療的な援助、介護の援助、福祉の援助があって、ご家族の介護負担の軽減が図れる事になりますので、積極的に利用していただきたいものです。
在宅医療は個々の患者さんの状態や取り巻く環境により対応が異なります。当院でも、もっと早く相談を受けていれば何とか対応が出来たのにと思える患者さんが結構いらっしゃいます。実際に介護されている方で、何か困った事がある方は、出来るだけ早くご相談してみて下さい。



                  落合内科クリニック    
  
及川 信哉

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